生きる力 〜 注45

公開: 2020年5月9日

更新: 2020年5月9日

注45. 道具の改良

私たち人間は進化の早い段階で、自然にある石を他の石で削って、ものを切ったり、動物を殺したり、木を切ったりするための道具を作り、使うことを習得しました。私たちと同じように生まれてきたネアンデルタール人も、同じように石器を作り出し、使っていました。

私たちホモサピエンスよりも「がっちり」とした身体を持っていたネアンデルタール人は、その身体的な特徴活かして、大型の動物を捕らえて、食べていたようです。ひ弱だったホモサピエンスは、一人一人の力は弱く、動物を殺すためには、多くの人々が協力して狩りをする必要があったようです。

私たち、ホモサピエンスの祖先は、狩りを上手に行えるように、石でできた刃のついた槍(やり)を遠くへ投げられるような、木の棒の先に槍を巻き付けて投げる道具を作りました。遠心力を利用して槍を投げられるので、力の弱いホヘモサピエンスでも、槍を遠くへ投げ、強い力で動物に当てることができるようになりました。

これに対して、ネアンデルタール人は、一人一人の体力を使って動物に槍を刺す方法を使っていました。このため、ホモサピエンスの集団と比較すると、ネアンデルタール人の集団の規模は小さく、道具の進歩も遅かったようです。このことが、ネアンデルタール人の数が減り、絶滅した原因ではないかと考えられています。

ホモサピエンスは、集団の規模をどんどんと大きくして、いろいろな改良を試(ため)すことができるようになりました。さらに、誰かが改良した道具は、すぐに集団全体に広まり、さらにその道具に改良を加えることで、道具をどんどんと進歩させることができるようになにりました。

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